戦争の体験談を語るわ 中編
42:祐希◆fyiPNhmVqk :2010/05/20(木) 23:22:02.99 ID:IAqHU4oN0
遅れてごめん。担当していた事案でトラブルが発生して、会社に行ってたんだ。
前のスレッド無くなっちゃったみたいだね。
とりあえず、朝から何も食べてなかったので、夕飯食べたら
最初から書き込みます。それと、非常に言いづらい事なのですが、
昨日書き込めなくなったのが、自分のPCの不調だと思いまして、
色々と弄っていたら、ワードのデータにスレで書き込んだ文章を上書きしてしまいました。
これから原稿用紙に書いた文を見ながら要約して行くので、前よりも
少し書き込みに時間がかかると思いますが、気長にお待ちください。
トリップって何で他の人にわかったんだろう。
とりあえず、このトリップに変えます。
書き込めるのはご飯食べてからなので、
12時過ぎるかもしれないです。
それでは、また後ほど。
4:祐希◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 00:10:48.90 ID:CDegEBWq0
もしかして、俺の書き込みって違反なのかな ※度重なる荒らしとスレストのため
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/21(金) 00:11:56.18 ID:kvjgTS2r0
>>4
んなこたあねえ
安心しな
えっと、とりあえず最初から書いていくね。前のスレにも書きましたが、間違えて今まで書き込んだ文章を、ワード化していたファイルに上書きしてしまいました。その為、原稿用紙にある文を要約していくので、以前よりも時間がかかってしまうかと思います。どうか気長に待ってください。
何かわからない事などがあれば気軽に聞いてください。
えっと、携帯で最初のスレの方に質問?頂いたと思うのですが、
それに対する答えを先に書くね。
確かに死んでしまったら終わりだし、生きていれば良い事も、悪いこともある。
辛くて悲しくて命を絶つ人もいるかもしれない。だけど、自分の場合は
そういうのじゃないんだ。これから先、悔い改める機会は何度だってあるだろうし、
良い事も沢山おきると思う。決して、社会だとか周りに失望したり恨んだりしてる
わけじゃないんだ。自分に失望して、その自分が許せないだけなんだよ。
俺には、これから先悔い改める機会も、悲しみがあれど幸せがある世界で
行き続けるのも、自分自身が許せないんだ。それについては、最後に書くよ。
こうして、スレを建てて書き込む事になった経緯にも繋がってくるから。
そして日本で死ぬなんてしないから。まだあっちでしなきゃいけない事があるからさ。
あっちで全てを話して、最悪そうなるかもしれないってだけだから、心配しないで。
大丈夫だから。
それじゃ、書きます。
長くなるから、先にどうなるか書いておくね。
今から20年近く前の話だから、多少忘れてたり、間違ってたりするかもしれない。
そこは許して欲しい。
今から話す内容に出てくる子がどうなったか、先に書いておく。
ソニアは殺された。
サニャは爆発に巻き込まれて死んじゃった。
メルヴィナはレイプされて連れ去られた。
メフメット・カマル・ミルコは行方不明。
カミーユも死んでしまった。
ドラガンって子は、裏切ったと思っていたけど、実際は違った。
それじゃ、書いてくね。わからない事あったら聞いてください。
昭和天皇が崩御あらせられた年から1年程経った頃だった。
保育園の卒業が間近だった俺は、卒園式で披露する歌の練習を友達の
園児とした後、教室で紙ヒコーキを作ったり絵を描いたりしながら
母さんが迎えに来るのを待っていた。
母さんはパートの仕事をしていて、俺を迎えに来る時間は何時も6時過ぎで、
女の先生(保母さん)と一緒に二人で待っていた。この時間にもなると、
残っている園児は俺一人である事が殆どで、何時もまだかまだかとソワソワして
待っていた覚えがある。
以前は、俺が楽しみにしていた戦隊シリーズ(確かターボレンジャーあたり)が
土曜日に放送されていた為、寂しさはあれど不満はなかった。
だけど、途中から金曜日の5時過ぎに放送曜日と時間が変更されてしまった為、
テレビで見れなくなってしまったんだ。当時は確かベータとかいう変なビデオデッキが
あったけれど、予約機能なんてものがなかった為に、シリーズ途中から見れなくなっていた。
この日も曜日は金曜日だった。今日だけでもいいからお母さん早く帰ってきてと
祈っていた記憶がある。だけど、5時になり、そして6時になり、普段と変わらない時間に
なってしまった。ああ、今日もか。そう思って先生に駄々をこねていたかもしれない。
少し時間が経って、普段と違う事に気づいた。遅くても6時半頃には母さんが迎えに
来るはずなのに、時計を見たときには7時近くになっていた。先生も今日はお母さん遅いね
と言いながら、母さんの仕事場に電話をする為に俺を一人残して教室を出て行った。
カチカチと秒針を刻む時計の音がひどく不気味に感じたし、普段は気にしないような
電気が消えた奥のトイレが怖く感じた。数分程経過した頃、先生が戻ってきて俺を
家の近くに住む爺さんの家に送り届けてくれることになった。
爺さんの家に着いてから、お母さんお仕事遅いねといったやりとりをしたが
、
その時の爺さんの表情は暗いものだった。保育園で過ごした日々の記憶は
今になっては殆ど薄れ、忘れてしまったけれど、この日の記憶は今も鮮明に覚えている。
それから何日も母さんを待ったけれど、結局母さんは帰ってこなかった。
後に知った事ではあるけれど、母さんはとっくにパートを辞めていて、
外に男を作っていたらしく、つまりは俺と単身赴任している父さんを捨てて
二人で駆け落ちをしてしまったんだ。
父さんは海外で仕事をしていたから直ぐに会えるわけでもない。
俺は一人ぼっちになった。父さんの親族も母さんの親族も、小学生にあがる程成長した
俺の養育を拒否してさ、当然といえば当然ではあるけれど。
誰が好んで面倒がかかる時期の子どもをわざわざ引き取るんだって話だ。
爺さん達は俺の面倒を見切れないという事で、養護施設に預けようと
したらしいけれど、それには親の承諾が必要だったんだ。当然、虐待が発生した
といった緊急のものであれば、強制的に一時保護という形になるから、親の許諾は
必要ないけどね。その為、海外に赴任している父さんに電話で相談したらしい。
そこで色々と話し合って、父さんは何とか俺が日本で親族の下で暮らせるように頼んだ
らしいけれど、やはり誰も引き取ってはくれず、父さんが俺を迎えに来て
海外で一緒に暮らす事になったんだ。父さんとしては、俺が日本で暮らすことを望んだ
みたいだけどさ。
親戚の人たちが、俺が泊まる場所(ちょうど3月から4月頃かな)で怒鳴りあいの喧嘩を
しているのを、襖からそっと聞いていた俺にとって、もう日本には居場所がなかった。
母親と会えないだけでも辛かった俺は、夜になると一人布団の中で泣いていた気がする。
子どもなのに、少し諦めに近い感情を抱きつつあった。だけど、父さんと一緒に
暮らせるとわかった時は、とても嬉しかったんだ。母さんと一緒に暮らしていた期間の
方が断然長く、父さんとは殆ど会えなかったけれど、俺は父さんが大好きだった。
だから、婆さんからもうすぐ父さんが迎えに来ると言われたときは、ほっとすると
同時に、嬉しかった。諦めのような感情があったとはいえ、これで自分の居場所が
出来る様な気分だったように思う。まだ幼い俺にとって、爺さんや親戚の家は、
とても息が詰まって、そして肩身が狭かった。一種の悲劇のヒーローのような
気分を味わっていた。
父さんが迎えに来た日、確か4月の下旬頃だった。1年ぶりの再会であり、あまりにも久しぶり
すぎた俺は、最初父さんの顔が認識出来なかった。いや、父さんかもしれないけれど、父さんでは
ないかもしれないといった感覚だな。それ程、当時の俺にとって1年という期間は長いものだった。
父さんは「すまない。」と一言俺に言って、「大きくなったな。」と微笑んだ。
そんな事を言う前に、俺からしてみれば最初から日本で仕事をしていてくれよ、といった感じだったな。
空港から、トルコ経由で向かったわけだけれど、機内から見る空は美しかった。というより眩しかった。
途中で降りた空港には、飛行機の中とは比べ物にならない程の異国の人々がごった返していた。
そこから首都まで乗り換えて向かい、初めて降り立った外国の地というものは、少し気持ち悪かった。
日本と違い、建物はみな似たような作りと色合いで、何で?と疑問に思ったものだ。
外国人も背が高く怖いし、そもそも日本語ではない言葉を話している。
当時は、テレビ以外で外国人を目にする機会というものが無かったんだ。だから初めて自分の目で見る外国人は、奇妙に思えて少し怖かった。それに、言葉というものが国によって異なるというのを、まだ当時はきちんと認識出来ていなかったんだ。つまり、標準語はテレビの中だけ、みたいな感覚だな。
テレビの中だから変な言葉を使うような感じだ。その為、彼らが話す暗号のような言葉を話すのは余計に奇妙に感じた。
俺が父さんと一緒に暮らす事になった街は、首都から車で結構走ったところで、人口数千人位だった。
日本と比べると、人口密度はかなり低い場所だった。街の周りは高原(草原)や山々に囲まれている盆地のような場所で、建ち並ぶ様式が統一された住居はとても綺麗だった。
オレンジ色の屋根に、白い壁。当時の日本(といっても、俺の地元)では目にする事が無かった為、はじめは奇抜に見えた。
子どもが親についていき、海外で暮らす場合、多くは日本人学校等に入る事になると思うのだけれど、
俺の住む街には日本人学校どころか日本人すらいない。いや、俺と父さんの二人はいたけどさ。
不安を抱きながら学校へ行っても、皆何を言っているのか理解出来ないわけだ。当然、俺は一人ぼっちだった。
自己紹介すらきちんと出来なかったからな。
もう少し年を取っていれば、ノリで仲良くする、フレンドリーに接するなんて事が出来たかもしれない。
だけど、当時の俺にそんなスキルがあるはずもなく、どうしようもなかったんだ。
その為、最初の2週間ほどは非常に苦痛だった。父さんが家に居るという事だけが、
唯一俺の救いだった。だって、俺に居場所があるんだからさ。
次スレへ
90:祐希◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 00:55:37.54 ID:c1y0p92o
ごめん。既にこちらで書き込んだ内容をまとめてくれていたんですね。 ※(前編の内容)
では、続きから書いてきます。原稿の文が長いので、要約します。
その為、少し時間がかかりますが、気長に待ってください。
ただ、まだ血で血を洗う戦争には発展していなかった。スルプスカ共和国(セルビア人共和国)となったとはいえ、実際にそれを世界に向けて宣言したわけでもないし、まだ平和的に解決出来るかもしれないという希望があった。
俺はまだ小さくて理解しきれていなかったのだけれど、こんな状況でも9人でこっそり会い、秘密基地で遊んだり出来ていた。
以前のように堂々と遊ぶことが出来なくなっても、俺達の友情というか結束みたいのは少しも崩れて無かったんだ。
むしろ、大人たちや周りから、もう遊ぶなって言われれば言われるほど、強くなっていったように思う。
こっちもスレッドがストップしたら、恐らくもうそういった運命だと思うので、書くのは辞めるね。
そして3月後半になってくると、首都サラエヴォの方でスルツキの民兵達が何かをするらしいという噂が、街で耐えなくなった。とはいっても、この時はまだ民兵という言葉自体を理解していなかったから、何かあるんだーといったような感じで、気にも留めていなかったんだ。
102:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:04:59.71 ID:JjpLQsco>>99
なんで50行まで書き込めるのにフルに使わないの?ねぇ馬鹿なの?
>>102
データを間違えて上書きしてしまったから、原稿用紙の文を要約しながら書いてるんだ。
原稿用紙の文そのままだと↓こうなってしまうし、原稿用紙の文は入力しなおしてて、まだ今話してる所まで
追いついていないんだ。
原稿用紙の文そのままのやつね。まだ今話している段階に追いついてない↓
お読みいただく前に
これから書き進めていく体験談は、筆者が可能な限り客観的な視点に基づきつつ書き記したものである。フルヴァツカ紛争やスロベニア紛争に端を発した一連の所謂ユーゴスラビア紛争に関して、筆者はどの国家・民族・宗教・勢力に対しても賞賛や批難・中傷を行う旨はないと予め表明しておく。
これから読み進めていく読者の中には、見知らぬ言葉や表現を多々目にすると思われるが、それに対して出来る限りの補足を付け加えていく。この中では、多くの歴史的背景や宗教が絡むが、どうか一つの物語のように読んでいただけると本望である。
なぜなら、これは戦争の悲惨さや愚かさを伝え、平和主義の啓蒙を行う為のものではなく、そこで何が起きたかを一つの体験談として記し、読者の方々に何かしらのものを感じて頂きたいからである。そして、一般的なマスメディアが活字や映像といった媒体を通して語りかけてくる途方もない情報群の中において、絶対というものはないという事を感じていただきたい。戦争とは悪であるかもしれない。しかし、戦争において絶対的な悪というものは存在し得ないのだ。全ての勢力や人々に、各々が信ずる正義や大義名分というものが存在しており、それがぶつかり合い、折り合うことが不可能になる故に戦争が形となって現れてくるのだ。以上の事を、どうか読み進めていく前に考えて欲しいのである。
はじめに
これから先読み進める前に、読者の方々へは登場する人物がどのような結末を迎えるか先に記しておく。
ソニア…彼女はスルツキ(セルビア人)民兵によって殺害される。
サニャ…彼女は爆発に巻き込まれ死亡する。
メルヴィナ…彼女はスルプスカ警察によって強姦された後、連行される。
メフメット・カマル・ミルコの三名は行方不明となり、生存は未だ不明である。
カミーユ…彼もまた、スルツキ(セルビア人)民兵によって殺害される。
ドラガン…彼は裏切り者であったと筆者は誤解をしていた。
本章 第一部
一、 始まりの日
年は先帝の昭和天皇が崩御あらせられた日より一年程経過した頃である。保育園卒業を間近に控えていた私は、卒園式にて披露する歌の練習を行っていた。その後、練習が終わり多くの園児が母親の迎えによって帰宅したのであるが、私は一人教室内にて紙ヒコーキを作り、絵を描きながら母親の迎えを待っていた。私の母は、設計事務所においてパートタイムの仕事に勤めており、保育園へ迎えに来る時間は大変遅かった。この日も、迎えの時間は夕方の六時をとう当に過ぎており、途中から保育士である先生と共に待っていた。この時間にもなると、保育園に残っている園児は私一人になっており、母の迎えをまだか、まだかと心待ちにしながらそわそわしていた覚えがある。
以前は、私が当時楽しみにしていた戦隊シリーズであるターボレンジャーが、保育園の休みの日である土曜日に放送されていた為、待つ寂しさはあれど不満というものはなかった。しかし、放送の途中より金曜日の五時過ぎへと放送曜日・時間が変更されてしまい、私はこの楽しみにしていた番組を見る事が出来なくなってしまったのだ。当時においては、ソニーより発売されていたベータシリーズのビデオデッキが自宅にはありはしたが、予約機能のような多機能搭載の機種ではなく、私はなくなくシリーズ途中から番組の視聴を諦めざるを得なかった。
この日も曜日は金曜日であった。
「今日だけでもいいから。母さん早く迎えに来て。」
そのように祈っていた記憶が残っている。しかし、夕方五時を過ぎ、六時になり、普段と変わらない時間にまでなってしまったのだ。
「ああ。今日もか。」
そう考え、私は保母である先生に駄々をこねてしまっていたかもしれない。少しばかり時間が経過した頃であった。私は普段と違う異変に気がついたのだ。普段の日であれば、例え仕事が長引いてしまったとしても、母は六時半過ぎには迎えに来ているはずなのだ。しかし、私が時計に目をやると時計の針は既に七時近くを指していたのだ。先生も私と同様に異変を感じたのであろう。
「今日はお母さん遅いね。」
頼むから煽りはスルーして自分のペースで投稿してくれ
115:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:15:20.04 ID:NNSgcXUo
>>112
そういや、手記にする予定だったんだっけ
4月に入って、どうやらボシュナが国連に加盟するといった情報が流れてきた。
その意味が理解できなくても、周りの大人たちが深刻そうに、そして民族ごとに緊迫した空気を出している事から、俺達子どもも、かなり不安になってきていた。俺達子どもは、昔この地域でおきた民族同士の争いや悲惨な歴史を殆ど知らなかったんだ。
>>114
ごめん。
>>115
そう。ただ、その時間的猶予もないから、スレを立てて書いたんだ。
ここはVIPと違って落ちることはほとんどないからね
だけどVIPじゃないから新しく人が来ることはほとんどないよ
だからより多くの人に見てもらいたいならVIPでやるべきだと思う
それで見れなかった人がここで補完しあえるように「避難所」にしたんだけどなあ
実話詐欺の手法はもう限界かもしれない
123:祐希◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:21:53.12 ID:c1y0p92o
特に、親からそういった事を聞かされる機会があるはずもない日本人の俺には、
こうした状況を理解できるはずもなかった。
だけど、俺以外の8人は、ある程度理解しているみたいだった。
ドラガンが「何か起きたら、一旦皆で秘密基地に集まろう。俺達はずっと仲間だ。」みたいな事を
言っていた。皆も「うん。そうしよう。」って相槌を打って、約束したんだ。約束したんだよ。
>>113
でも、あっちだと書けなくなってしまうんだ。
>>119
よくわからないけれど、これは俺の妄想だと思って読んでくれて構わないんだ。
それをどう判断するかは、全て読んでくれた人次第だからさ。
俺にとっては、書ければそれだけで十分だよ。信じてもらえなくても、
それがここだけで終わろうともね。
>>118
gdgd書く前にテキストデータ全部うpしてくれ
父さんは、この緊迫した状況を考えて、俺だけでも日本に帰国させようとしていた。
当然、俺はそれを断固拒否するだろうと考えたらしく、俺には内緒で、仕事でサラエヴォに行くと言って、俺をソニアの家に預けたんだ。今思えば、あれは俺を一人残して、航空券を買いにいったんだと思う。
一人だったのは、サラエヴォが危険だったからなんだろうな…。
「明日になったら、帰ってくるから、いい子にしていなさい。」と言ってた。
>>124
全スレでも、このスレでも書いたと思うのだけれど。昨日のサーバーが落ちた時に、自分のPCの
不調かと思って弄っていたら、今までスレに書いた文章を、データ化した文章に上書きしてしまったんだよ。
だから、今から書く文は原稿用紙のものを見ながら、要約しているんだ。
ごめんね。もう同じこと何度も言うのは疲れるから、これ以降はこういった内容には
答えないよ。ごめん。
翌日の4月5日だったな。俺は父さんが帰ってくるまで遊んでいようと思って、秘密基地でいつものように遊んでたんだ。
ただ、この日に限ってドラガンだけは来なかった。用事があるとか言って。
夕方近くになった頃だった。街の方から大きな音がしたんだ。皆びっくりして、急いで丘を駆け上がったんだよ。そしたら、街から黒い煙が上がっていて、時々小さな乾いた甲高い音が聞こえてきてた。俺は何の音かわからなかったんだけど、ミルコが「銃の音だ!」って叫んだんだよ。
血の気が引いたのを覚えてる。ソニアやサニャ達はおろおろして泣き出しちゃってさ。
ミルコやメフメット、カマルは家に帰らなきゃって叫んで、街に向かって走っていった。
止めればいいものを、状況が理解できていなかった俺はぼーっと立ち尽くしていたと思う。
多分、30分位そこでぼーっとしていたかな。もっと長くそこで立ち尽くしていたかもしれない。
大きな音を出しながら、何台かの車がソニアの家の方向に向かって来てた。
あれって何だろうって思っていたんだけど、カミーユが「スルツキの奴らだ…。」って呟いたんだ。
ソニアは家に帰ろうとしたんだけど、カミーユや俺で必死に止めた。それで、様子を見ようってことで、カミーユが何時も持ってきていた双眼鏡でソニアの家を覗いてたんだ。
最初は、「スルツキの兵士が家の中に入ってる、外にも何人かいる。」って感じで説明してたんだけど、途中で「あっ。」って言った後、カミーユは何も言わなくなっちゃったんだ。
メルヴィナと一緒に、どうしたの?って何度聞いてたんだけど、何も言わなくてさ。
おかしいな?って思って、少し身をを乗り出して見たんだ。
そしたら、さっきの車二台が俺達の方向に向かってきてるんだよ。
バックアップを取ってないのが悔やまれる
つかこんな大事なものなんでバックアップとらねえんだww
というかまとめてあったんならそれを自費出版するなりそのままアップすればよかったんじゃないか
146:祐希◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 01:39:26.13 ID:c1y0p92o
>>141
こんな急に書かなければいけない状況になるとは思っていなかったからだよ。
出版なら原稿用紙でもいいしさ。
>>142
そのままアップしたところで、国語の教科書みたいで誰も読まないよ。
少なくとも、俺は読もうと思う文体じゃない。くどくどと長いしさ。
同じ質問に答えるのもうやめるね。ごめんよ。
「何で!?何でわかっちゃったの!?」って口々に言ってたんだけどさ、
カミーユが涙目になりながら、わからないけど目が合っちゃったって言うんだ。
今考えれば、その理由はすぐわかるよ。でも当時はそんなのわからなかったんだ。
ただ、カミーユは俺のせいだ。俺のせいだ。って泣いてた。
このままだと、もしかしたら俺達は捕まってしまうかもって思ったんだ。考えてみれば、
敵かどうかもわからない。それなのに、俺達はもうそのスルツキ達を敵だと思ってた。
多分、あれは直感というか本能的なものだったと思う。だって、味方は銃を持って来ないでしょ。
少しずつ車が近づいてくる音がして、この場所にいるのは不味いと思ったんだ。
俺は4人に急いでこの場所を離れて隠れようって言った。俺は泣いているソニアの手を引っ張って、
カミーユとメルヴィナはサニャの手を引っ張って、急いで走った。だけどさ、結局俺達は8歳そこそこの小学三年生ぐらいの子どもだった。例え俺達が必死に走ったところで、逃げ切れるわけがなかったんだ。
200Mくらい離れた小さな木の下に隠れたけれど、ゆっくりと車が近づいてくるのがわかった。
心臓が高鳴って、次第に息苦しくなってきたんだ。頭の中では落ち着け。落ち着けと言っているのに、
体中から汗が出てきて、静かにしなきゃいけないのに、鼻から息が吸えなくてさ。口で音を出しながら
息をしてた。すぐ隣のソニアやサニャ達は、泣かないように必死に口を押さえてるんだよ。
でも、カチカチって歯の音がしちゃってさ。止めようとしても、その音が止まらないんだ。
正直に言って、俺はもうだめだと思った。殺されるとか、そういうのはまだわからなかったのに、
ああ。もう終わった。そんな感覚に陥っていた。多分、皆も同じ感覚だったと思う。
車の音も大きくなってきて、スルツキの民兵達の声も、鮮明な声ではないけれど、聞こえてきた。
何か恐ろしいことを言っていた気がするけれど、恐怖でそれを理解するほど、覚えているほど
その時の俺には余裕がなかったように思う。
双眼鏡の反射か。狙撃手の基本だがガキじゃ仕方が無い
153:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 01:43:04.26 ID:n1..lig0
>>151
お前何者だよ
>>153
いや、双眼鏡で光が反射すると場所バレるじゃん。それかなと思った
>>158
そうだったのか…。てっきり相手と目があったからだと思ってた。
見つかるのも時間の問題だったんだ。そしたらさ、少し離れた所に隠れていたカミーユが俺を後ろに引っ張って、小声で囁いたんだ。他の女の子には聞こえないようにしながらね。
「このままだと見つかってしまう。俺がスルツキを引き付けるから、その間に皆を連れて逃げてくれ。」
それを聞いて驚いたよ。そしてもしかしたら助かるかもなんて考えてしまった。でも、それをやったらカミーユはどうなる?
「危ないよ。ここで皆で静かに隠れてよう。」
俺は慌ててそう言い返したんだ。だけど、カミーユは、それだと見つかるって。皆殺されるって言うんだ。
「引き付けた終わったら、後を追いかけるから大丈夫。」
俺はわかったって答えた。もうそうするしかないように思えたんだ。
そしたらカミーユはニコって笑ってさ、良かったって言うんだ。そしてさ、
「サニャの事、俺が戻るまで守ってあげてね。」って。
スルツキの連中がそこまで過激な手段を取った背景は何なんだろうな
いつも疑問だったわ
>>163
それはさ。禍根が次世代に引き継がれるからなんだ。
殺さなければ、殺される。今までの歴史がそれを証明してきた。
じゃあ、子どもは?
子どもはさ、次世代の敵になるんだ。だから、[ピーーー]しかない。
そういう考えなんだ。多分、平和の中で暮らしていたら一生共感出来ない
考えだと思う。俺も理解は出来るけど、共感は出来ない。
スルツキだけでなく、フルヴァツキもボシュニャチも同じ考えだよ。
そして、その考えの元で行動した。
>>173
そうか やらなきゃいつかやられる状況だったのか
当事者にしかわからない事なんだろうけど、一度タガが外れると想像も出来ない事が起こるんだな
>>190
タガは外れてないんだ。皆罪悪感はあるんだよ。でもその罪悪感をも超越する程の、
他民族への恐れ、怒りや憎しみがあったんだ。だから、自分達の民族のためと
自分に言い聞かせながら殺したりしたんだ。中には本気で楽しんでいた人もいたかもしれないけど
スルツキの人たちだけが野蛮で殺戮をしまくっていたってわけじゃないんだ。
現に、それに反対するスルツキもいたんだよ。でも、民族の敵といって、
そういったスルツキの人も殺害の対象になってしまったんだ。
戦場の中は、皆普通の心理状態じゃないんだ。もしかしたら、
他の民族に同情した同胞が、自分達に銃を向けてくるかもしれない。
それほど疑心暗鬼に陥る状態だったんだ。
今までの歴史とか宗教とかが絡み合って、想像できない状態になってたんだ。
えっと。違うんだ。えっとね。※前スレ14~31まで
原稿だと、最初になんでボスニアに行くことになったか書いてあるんだけど、
二回目に立てたvipだと、そこを省略して、カリノヴィクに着いてからの話を
書き始めたんだ。それで、それも消えちゃったから、
じゃあわかりやすいように、何でボスニアに行くことになったかも書こうってことで、
それを書いたんだ。
つまり、始めのくだりは、天皇陛下が崩御あらせられた~からはじまって、
カリノヴィクについてからの話になって、今に至るって流れなんだ。
わかりにくくてごめんね。
続けるね。
そう言い終わると、俺の返事を聞かずにカミーユは俺達が隠れている方向とは反対側に身を低くしながら走っていったんだ。
俺は3人に、カミーユが引き付けるから、その間に逃げるって伝えたんだ。
ソニアやサニャは駄目駄目って言うんだけど、メルヴィナは「そう。」って呟いただけだった。
スルツキの民兵が俺達まで20、30メートルぐらいまで近づいた時だったと思う。
向かい側の離れたところから、カミーユの声が聞こえたんだ。
たしかスルツキを馬鹿にするような言葉を発していたと思う。
それに気づいたスルツキの兵士たちが大声を出しながらそっちに走っていってさ。
俺達はそれを見て少し経ってから急いでその場から逃げたんだ。
スルツキの民兵が俺達まで20、30メートルぐらいまで近づいた時だったと思う。
向かい側の離れたところから、カミーユの声が聞こえたんだ。
たしかスルツキを馬鹿にするような言葉を発していたと思う。
それに気づいたスルツキの兵士たちが大声を出しながらそっちに走っていってさ。
俺達はそれを見て少し経ってから急いでその場から逃げたんだ。
メルヴィナがサニャを、俺がソニアの手を引きながらガムシャラに走った。
そしたら、後ろの方から乾いた音が何回か聞こえたんだ。
パパン、パパンだったかな。それと同時に、さっきまで叫んでいたカミーユの声が聞こえなくなった。
俺は、まさかと思って、立ち止まりそうになったんだ。引き返さなきゃって。
そしたら、メルヴィナが
「止まっちゃ駄目!」って言ったんだ。引き返したら、カミーユの行動が無駄になるって
こんなところで晒し者にされちゃってるなんてみんな(´・ω・)カワイソス
211:祐希◆.0dKn/WD26 :2010/05/21(金) 02:19:52.38 ID:c1y0p92o
>>202
かわいそうだよ。その通りだよ。
でも約束だからね。そして紛争前は民族が混在していたけれど、
今は違う。ボスニア・ヘルツェゴビナ領内でもボシュニャチとフルヴァツキで住んでいる場所が
わかれているんだ。そして連邦のもう片方、スルプスカ共和国にはスルツキが住んでいる。
スルプスカにいたボシュニャチはどうなったと思う?逃げたか、殺されたかだよ。
逆もまたしかり。そして今、スルプスカでは連邦から独立したいって考える人が
再び増えてきた。だから、戦後にあっちの国の人がいったんだよ。
「現在でもバルカン半島は世界の火薬庫だ」って。
これを書くのは皆に悪いことかもしれない。でも絶対悪にされたスルプスカやセルビアの人々の
禍根は、未だに消えてない。そして、それが恨みとなっていつ爆発するかもわからないんだよ。
俺が最初にどの勢力も賞賛・批難・中傷するつもりはない。って言ったのは、
俺が1995年1月にオーストリアへ脱出するまでの間、ボシュイニャチの民兵とも、
そしてスルツキの民兵とも行動を共にしたからなんだ。それは後で書くつもりだったけどさ。
でも、俺には止められないんだよ!そういうのをもう起こしたくないから、体験を広めてと
言われたのにさ!何も出来ないんだよ。無力なんだよ。出版してどうだ。
誰もわざわざ買って読まない。アップロードしてどうだ。誰も読み出そうとしないよ。
だって面白いものは沢山転がっていて、そしてこの紛争は日本にとって遠い国で起きた
自分達には関係がない話だから。
出版はね、ぶっちゃけていえば、何社か持ち込んだけど断られたんだよ。売れないってね。
今ではそれでもいいと思ってる。いつか誰かに読んでもらえればって。
でもそんな時間ももうないんだ。だからこんなとこで、大切な仲間の死をさ、面白おかしく
書くしかないんだよ。それで、何かを感じてくれて、あわよくば、もっとバルカン半島の現状に
目を向けてくれれば、それでいいんだよ。無力なんだよ。俺はさ。
ごめん。ちょっと言い過ぎた。202が悪いわけじゃないのに。少し頭冷やしてきます。
215:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 02:26:04.89 ID:NNSgcXUo
>>211
無力じゃないよ
昨日スレ立ててなきゃ、それこそ誰にも読まれなかったんだから
多分、>>1が想像する以上に多くの人がROMってる
読みたい
出版社の人には誰も金だして読まない
って言われたかも知れないけど、少なくとも俺は読みたい
何日かかってもいいので
書き上げてくれ
>>212
無駄でも無力でもないさ
お前の気持ちを全部理解することは到底できないけど、みんなに少しずつ思いを伝えることはできているはずだ
ごめん。気を遣わなくていいです。どうせこれは俺の妄想なんだ。
妄想だから、罵倒して不謹慎な作り話しやがってと思ってくれ。
そしてもし、何があったのか気になったら、ネットでもいいし
書物でもいいから、良かったら読んで欲しい。
憎しみというかシコリがある民族同士じゃ解決できないことが一杯あるんだ。
それが出来るのは誰?麻生元首相が、パレスチナとイスラエルの子どもを
日本に招待して交流の場を設けたり、橋渡しをしようとしていたよね。
日本なら出来る事もあるかもしれない。
この俺の不謹慎な妄想を読んで、もし気になったら、小さな力でもいいから、
橋渡しの土台になってほしいんだ。小さな柱でも、それが集まれば丈夫な橋、
広くて長い橋になると思うんだ。他人の力まかせで本当に申し訳ないけど。
それじゃ続き書きます。明日も会社に行かなければいけないので、3時になったら
寝るね。書き込めるのは、もしかしたら8時過ぎるかもしれない。そして、
明後日もやらなきゃいけない事があるから、明後日は夜の12時には書くのやめて寝るよ。
予定狂って、もしかしたら書き終わらないかもしれないけど、その時は許して欲しい。
メルヴィナがサニャを、俺がソニアの手を引きながらガムシャラに走った。そしたら、後ろの方から乾いた音が何回か聞こえたんだ。
パパン、パパンだったかな。それと同時に、さっきまで叫んでいたカミーユの声が聞こえなくなった。
俺は、まさかと思って、立ち止まりそうになったんだ。引き返さなきゃって。
そしたら、メルヴィナが
「止まっちゃ駄目!」って言ったんだ。引き返したら、カミーユの行動が無駄になるってね。
息が続く限り走ったと思う。それでも、移動した距離は1キロにも満たなかっただろうけれど。
肩で息をしながら、もう大丈夫だね。って言い合った。
そこからは歩いて山の下まで行ってさ、夜になるまでカミーユを待ったんだ。
だけど、結局カミーユは来なかった。
薄々皆気づいていたよ。あの音がしたときに、カミーユは殺されちゃったんだって。
でも、信じられなかった。
もしかしたらって思ってさ。口にする事が出来なかったんだ。
気づいたら、皆涙流しててさ、人が死ぬって事はまだそんなに深く理解できる年ではなかったけど、
それでも涙が一杯出てきたんだ。カミーユがさ、サニャの事が好きだってのは気づいてた。
それに、サニャもカミーユが好きっていうのは知ってたんだよ。俺は。
だけど、怖くて止められなかった。カミーユが引き付けてくれれば、助かるかもしれないって思って。
泣きながら、サニャに「ごめん。ごめん。」って何度も謝った。俺が殺したようなもんじゃないか。
そしたら、サニャはさ、自分だって悲しいはずなのに、無理して笑顔作って、
「祐希は悪くないよ。」って言うんだ。
太陽が沈んで、辺りが暗くなった頃、夜の山に子どもだけだと危ないからといって、
山から出て道をあてもなく歩いた。何でこんな事になってしまったんだろうとか考えながらさ。
沢山の星が綺麗に輝いてるのにさ、下は地獄だって思ったよ。
1・2時間くらいかな。それくらい歩いてたと思う。いきなり草むらから音がして、何人かの大人が出てきたんだ。
またスルツキかと思って、びっくりして逃げようとしたんだ。
だけど、ソニア達のヒジャブを見たからか、俺達がボシュニャチだとわかったみたいでさ、ボシュニャチの大人がこっちに来なさいって言ってくれたんだ。
あ、俺は日本人だけどね。
その人たちは、街で起きたことを教えてくれてさ、これからフォーチャへ向かって、
それからゴラジュデに向かうから一緒に来なさいって言ってくれた。
ソニアやサニャは家に帰りたいって言ったんだ。だけど、街にはスルツキの民兵や軍が来て
ボシュニャチやフルヴァツキの人たちを連れて行ってしまったから、行っちゃ駄目だって。
首都のサラエヴォでも戦争が始まったって言っててさ。
俺達は黙ってついていくしかなかった。
ライトを着けないで、街の反対側の山から向かったんだ。車の中でさ、俺はまた泣きながら、
カミーユに親切にしてもらったのに、俺は…って泣き言を言ってたんだ。
そしたら、サニャが俺の背中を擦りながらさ、
「カミーユが小さい頃に死んじゃったお兄さんが祐希とそっくりだったんだよ。
初めて会った日にカミーユは嬉しそうに話してて、友達になりたいって。
大丈夫だよ。カミーユは怒ってないし、悲しんでもいないよ。安心して。」って。
そんな感じの事を言われたんだ。
その時、俺が空き地で眺めていた時に何で話しかけてくれたのかとか、
何で休み時間に教室に来てくれたり、一緒に沢山遊んでくれたり、
優しくしてくれたりしたのかとか、
不思議に思っていたことが繋がってさ…。
好きだった子が死んじゃって、俺よりも長く一緒に過ごしてた子が死んじゃったっていうのに、
メソメソしている俺を慰めてくれてるサニャを見てさ。
あの時俺が勇気を出して行ってればって。俺が行けば良かったって後悔した。
それと同時に、カミーユとの約束、サニャを今度は俺が守らなきゃって。
何かあったらカミーユのようにしてでも守らなきゃって誓ったんだ。
まさか、これからさらに悲惨な未来が待っているとは、想像もしていなかったよ。
車で舗装された道の近くまで来たところで、大人たちがここから先は歩いて向かうって言ったんだ。
俺達は、何で歩いていくの?まだ遠いよって言ったんだけどさ、フォーチャへ向かう道はここしかなかったんだ。
サラエヴォでは、スルツキ(セルビア人)の警察や軍が都市を包囲して戦いが始まっててさ、
この道にもスルプスカの軍がいるかもしれないから、歩いて山を越えることになったんだ。
とはいっても、実際に山中を登って下ってというわけではなくて、道から数百メートルはなれた木々の中を
歩いていったんだけどね。まだ夜で周りは真っ暗でさ、すぐ目の前もよく見えなかったんだ。
月明かりだとか、星空だとかで案外見えるんじゃないかって気もしてたんだけど、木々に覆われた中では
光が枝や葉に遮られてしまって、本当に暗かった。周りは風で揺らされた枝や葉がこすれる音とか、
時折鳥か何かの声がしたりして、とても不気味だった。それでも、例え怖かったとしても、
進まなきゃいけなかったんだ。サラエヴォに向かうのは危険なんだ。だから俺達に残された道は、
ゴラジュデしかなかったんだよ。
幼い俺達にとって、夜寝ないで歩き続けるって言うのは、想像以上に辛いものだった。
家族がどうなったかわからないし、俺も父さんがサラエヴォでどうなったか、生きているのか、
それとも俺がカリノヴィクを脱出した後に戻ってこれたのか、心配してないか、
色々と不安だった。不安という一言では伝えきれないほど、頭の中では色んな事がごちゃごちゃと
渦巻いていたように思う。体力的にも、限界は近づいてきていて、足は重いし、足元も良く見えなくて
おぼつかない。時折、ガサガサと音がするだけで皆が伏せてさ、常に周りを警戒しながら歩いてた。
真っ暗でよく見えないお化け屋敷の中を延々と歩くようなものかな。いや、起伏に富んでいて、
足元が悪く、そして見つかったら殺されるかもしれないという不安が追加されているけれどさ。
もう歩きたくなかった。大人におんぶしてもらえたら、どんなに楽だろうって何度も思ったよ。
でも、俺達は言い出せなかったんだ。なぜなら、俺達よりも小さい子が歩いてるんだよ。
俺達よりも辛いはずなのに歩いてるんだ。だから耐えるしかなかったんだ。
とはいえ、徒歩で山中を歩くのは時間がかかる。
空が赤くなり、少しずつ夜が明けてきた頃だったと思う。フォチャ途中にある
ミジュヴィナという街のすぐ近くまで来ていたんだ。内心、やっと休めると
安心したよ。だけど、周りがどんどん明けてくるに連れて、その考えが甘かった事に
気づかされたんだ。小さな街なのだけれど、そこからは黒い煙が立ち上っていた。
誰も口には出さなかったけれど、カリノヴィクと同じ状況になったというのは
明白だった。
しかし、このままフォーチャに向かうのは不可能だったんだ。俺達のグループは、
大人数名に子ども数名、そしてまだ1歳ほどの赤ちゃんまでいたんだよ。
まだ4月とはいえ、喉はカラカラに渇いていたし、お腹もすいていた。
赤ちゃんに至っては、もう元気がなくてぐったりしていたんだ。
だから、一人の男性が街に行って、食料とかを調達してくることになった。
もしスルツキ(セルビア人)に見つかったら殺されてしまうのではないか?といった
疑問もあったけれど、彼はスルツキ(セルビア人)とボシュニャチ(ボスニア人)の
ハーフだったから、大丈夫だよといって出かけていった。
待っている時間はとても長く感じた。もし帰ってこなかったらこのままフォーチャに向かうしかない。
そして、向かったとしても、このミジュヴィナと同じ状況になっているかもしれない。
未来が見えなかった。希望の光が見えなかったんだ。幼い俺ですらその状況なのだから、
大人たちはもっと深刻に感じたいたかもしれない。まだ肌寒い季節なのに、
そういった変な興奮状態からか、体は火照っていたように思う。恐らくは、
疲労の為に体が熱くなっていたのかもしれないけれどね。
ごめん。もう無理だ。スレで人を煽るのは大丈夫だったのに、煽られると、
思っていた以上に辛いんだな。あー、もう正直無理だ。
父さんに原稿託して終わらせる事にするよ。
これは妄想でした。不謹慎な作り話してしまって申し訳ありませんでした。
これでいいよね。
ただ、もし良かったらユーゴ紛争について調べてみてください。
そして関心を抱いてくれたのであれば、どうか彼らの力になってあげてください。
それが出来るのは、バルカン半島の民族感情だとか宗教だとか、利害だとかと
あまり関係のない第三者、日本・日本人だと個人的に思うんだ。
皆に押し付けてしまって申し訳ないけれど、どうかよろしくお願いします。
子ども達が安心して暮らして、そして笑って大人になれるような世界を、
彼らにもどうか見せてあげて欲しいのです。それでは、おやすみなさい。
おいちょっと待て
260:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 03:11:52.22 ID:r.0JFwA0
>>255
本当にそれでいいの?
ねえ、本当にいいの?
伝えたかったことがあったんじゃないの?
終わらせるって・・・・ その時、その場所にいた人たちの姿を知ってるのは>>1だけなのに・・・ ほんとにそれでいいのかい?
257:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 03:11:02.95 ID:yuaiZ6wo
内容について煽られたわけじゃないのになんだこの>>1ww
そんなだからお友達(笑)もみんなレイプされて殴られて爆発して死んじまってテメーだけ生き残ってんだよ
所詮構ってちゃんだったってこったな
269:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 03:18:05.78 ID:7Qo4ecE0
約束したんだろ?
誰とかわからないけど
おまえ今あとちょっとってとこまできてるんじゃないか?
おまえのためにも書いてほしい
俺?俺は自分が読みたいだけだけど・・・
>>257、268
はは。だから言ったじゃないか。俺は生きる価値ないってな。
悔い改める機会も与える価値がないってさ。
だから死んで一人地獄に行くからいいんだよ
天国の皆に会えないけどそれは俺の所業から来るものだからいいんだよ。
もう俺に構わなくていい。忘れてくれ。構ってちゃんはおしまいさ。
>>269
まだ4分の1も書いてない。別に一言でうんざりしたわけじゃない。
積もり積もって、そしてどうだ。旧ユーゴについて関心を持ってくれたと
思いきや、そんなだからお友達(笑)もみんなレイプされて殴られて爆発して死んじまってだぜ。
はは。俺にはそんなのに耐えながら書くのは無理だったって話さ。
だからこんな糞みたいな人生歩んできたんだろうな。
約束はもうここらへんでいいでしょ。妄想ってことでいいでしょ。
何人かの人は関心を持ってくれたからいいよ。ありがと。
逃げる俺を好きなだけ批難してくれ。卑怯者で地獄に行く人間に相応しい贈り物だ。
ここは>>1のためにあるスレだから、>>1がこれで終わりというなら、
そうなんだろう。
ただ、一つだけその体験を抱えて生きていくのは凄く辛くて、
終わりのない苦悩だろうから、それを終わらせるのには
死ぬしかないと思ってるのかもしれないけど、自殺しても
お友達は向こうで再会を喜んでくれるかな?あなたが
与えられた天寿を全うして、愛する人に囲まれて見送られたとき、
みんなと笑って会えるんじゃない?なにも知らない、わからない自分が
こんなこというのはおこがましいけど、1には絶対に死んで欲しくない。お願いだよ。
>>281
彼らと再会できるなんて思ってない。俺は地獄行くからさ。
ドラガンが俺達の場所ちくったと思って、ずっと憎んで生きてきたんだっつうの。
それだけが俺の生きる支えだったつうの。俺は何かを憎まなきゃ生きれない弱虫なんだよ。
それがどうだ?Facebookでミルコ達が生きてるかもって調べてたら、ドラガンの弟がいるじゃねぇか。
恨みを言おうとコンタクト送ったらどうだよ。笑えるよ。ドラガンは俺らの事庇おうとして、俺らが襲われた日に殺されてるんだからな!裏切り者って恨んでた俺は何なんだよ。俺らの為に犠牲になった奴をずっと15年以上もうらんでたんだぜ。生きる価値なんてねぇんだよ。苦悩を終わらせるんじゃなくて、未来だとか希望だとかがあるってわかっていながら生きるのが許せないだろ。
だから自分を自分で死刑にするんだって。これは俺への罰なわけ。
俺は屑なわけ。
>>285
ここは2chだぜ
その上、確かに>>1に対する侮蔑もあるがそれ以上に擁護してくれる方々の言葉は、>>1にとって、ないものになっているのかな
死なないで。たくさんの大切な人を亡くしてるならなおさらそんなこと言わないで。自分を責めるのもわかるけど。あなたのおかげで全く知らない遠い国のことを知り、関心を持ちました。待ってる人がたくさんいます、できることなら続きを聞かせて欲しいです。
299:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします:2010/05/21(金) 03:37:21.35 ID:weviYSQo
>>293
お前はドラガンの事、「知らなかった」「誤解していた」だけだろ。
お前はその誤解が許せないのかもしれないが、
じゃあさ、お前等を救おうと思って命散らせたドラガンの気持ちはどうなる?
カミーユの気持ちは?
彼らはお前等に生きていて欲しいから自分の命懸けたんだろ?
そのお前が死んでどうするんだよ?
彼らの気持ちに応える為にも、お前はそういう気持ちを引きずってでも
生き抜かなきゃいけないんじゃないのか?
>>293
誰かに助けられた命なら、他の人へつないで。
みんなあなたにまで戦争の犠牲になって欲しくなったんでしょ。
自分の知らなかったことを知って、自分を罰するといって死んだとしても、
それはやっぱり戦争の犠牲になることに見える。
とりあえずまた明日予告の時間に来させてもらうよ
研究職の親父さんなら出版できるかもしらんけど、
ここの読者の層に届かせられる奴はお前ぐらいしかいないんじゃないか?
ユーゴ内戦を生き抜いた、文章書ける二十代の一般日本人ってそういないだろ
頼むわ
>>257のIDが友愛なの(´・ω・`)
まあ誰も興味持たねーよなあ
一般的日本人にとっては1945年8月14日以降は戦後だし
世界史でもWW2についてすらほとんど取り上げないんだから以降の世界の紛争については言わずもがな
俺だって自分で調べるまで旧ユーゴの状況なんて国の位置関係すら知らなかったよ
戦争を、しかも子供時代に体験した日本人がいるって想像したこともなかった。
普通ならゆとり()って叩かれる世代の人が、こんな壮絶な人生を送ってるなんて…。
このスレに出会わなきゃ民族紛争の現実を知らなかった。
すげー不謹慎だけど、サスケみたいだなこの人。
まあ事実は小説より奇なりだな…
やっぱり情緒不安定というかいろいろ体験したんだなってのは感じるな・・・
てか話し方が自分に酔ってて超キモい
悲劇のヒロイン&かまってちゃんって感じ
内容はいいのになー
ところどころイラっとくる
女子キャラの死の描写は懇切丁寧に書いてあるのに、男キャラはあっさり死ぬし、ラノベ臭い語り口が気持ち悪いし…
戦争は悪くないのかもしれないけどこわいしやだな
あと1みたいにあんまり辛そうだったら、死んじゃった方がいい時もあるのかなーって思うんだよね
生きてろなんて、なあ