古い時代の人形画像を色々と貼っていくスレ
1:1:2010/11/04(木) 22:25:50.51ID:T1p9ba790
昨今の萌え&燃えフィギュア好きは一向に衰える気配は無いけど、
その下地となる流れは、既に江戸時代に完成していたんだ!
…といっても過言では無いと思うんだよね。
いや、あくまでも個人的には…だけど。
でまぁ、興味ある人&需要があるかどうか分からんけど、
現在のフィギュアのご先祖様にあたる、昔の庶民が愛した
人形の画像を色々と貼ってみようかと思う。
…とは言っても、今の人間の好みから見れば美的感覚も違うし、
本来は信仰から発したものだから、こういった人形には様々な
祈りが込められているから、単純に愛玩目的(眼で見て愛でる)
だけの人形とも違うという事を念頭に置いて見て欲しいのココロ。
なお、一部を除いて基本的には自分が所蔵している、
江戸時代後期から大正時代ぐらいでのヤツをメインで。
あと、知りたい事や気になる事とかあったら、どしどし質問してネ!
伏見人形/乳やり(江戸末期~明治前期)
そして伏見人形は江戸時代の末期になり最盛期を迎えて、
下請けまで含めると人形を扱う店が50軒以上もあったものの
明治時代になって、鉄道が開通すると、それまで賑わっていた
伏見街道を往来する旅人はいなくなり、北前舟も廃止され地方への
出荷も停止、販売ルートは地元のみになって衰退、そして現在は
地元でただ一軒の窯元だけが人形を作ってるといった状況になってる。
京都府:伏見人形/天神
今では廃絶してしまった産地を含めると、日本全国には
およそ200箇所余りの土人形の産地があったんだけど
その中でも総本家といえるのがお稲荷様で有名な伏見で
作られた京都の伏見人形。
地元はもちろん、北前舟のルートを通じて新潟や東北地方にまで
移出されて、各地方の土人形のルーツになった。
伏見人形/力士(明治前期)
ちなみに、日本の土人形の総本家というだけあって
人形の種類は現在廃業した窯元のものを含めれば、
優に1000種を超え、大は60センチを超えるものから
小は一皿いくらで売られた安物の人形まで、土で作れるものなら
何でも作ったというほどだったそうな。
>>8
乳首の造形までしっかりとしてるな
伏見人形/羽衣狆(明治前期)
ちなみに、伏見人形に関して詳しく知りたい人は↓を是非ご覧頂きたく。
伏見人形・土人形のふるさと 京都
http://www.h2.dion.ne.jp/~hushimi/
>>10
いい顔してんなー
こういうブサイクさが味があって好きなんだよな
基本的に西洋の人形には手を出してないので、
そっち関係は無しッス。ゴメンして下さい。(;´Д`)
というか、そもそも西洋はこういった郷土人形というカテゴリーに
該当するものが極端に少なくって、ビスクドールとかならまだしも、
ここで採り上げてるような土人形そのものが見られなかったり…。
滋賀県:小幡人形/鯛抱き 若恵比須(明治末期)
さて、伏見人形が周辺地域に波及したのは前述したけれど、
お隣の滋賀県にも、東近江市五個荘で現在も作られている
「小幡人形」(おばたにんぎょう)などがあったりする。
小幡人形 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/小幡人形
なお、前述の伏見人形の中にも同様の物があるけど、
ここ小幡では「松竹もの」といって性に関係する表現のある
種類のものが少なからずあったりするのが特徴。
【参考リンク】
もみあげチャ~シュ~ : 自分が持ってるエロフィギュアうpしてみる
http://michaelsan.livedoor.biz/archives/51459558.html
かく言う自分も、生人形は大好きッス!
松本喜三郎の谷汲観音なんか艶めかしくってたまりませんなァ。
だいぶ前に大阪で展覧会やった時に行きたかったけど
関東からでは余りにも遠すぎるので結局見に行けず…。
後日再販された展覧会の図録を入手して溜飲を下げましたが。
堤人形/花笠踊り(江戸後期)
なお、↑は以前にヤフオクで出てた際に入札したけど
結局落とせなかったので画像だけ保存…(´;ω;`)ウッ…
…いや、こんな人形でも7~8万はザラですよ?マジで。
さて、伏見人形が日本の土人形の筆頭というような
言い方をしたものの、郷土人形の世界では、これに
宮城県・仙台の堤人形(つつみにんぎょう)と、
長崎県・長崎の古賀人形(こがにんぎょう)を合わせて
日本三大土人形と称してて、いずれも江戸時代から現在まで
作り続けられている産地ながらも、往時に比べると現在では
すっかり廃れてしまっている存在に…。(涙)
堤人形
http://www15.plala.or.jp/kouei/tutsuminingyou-1.html
古賀人形
http://www.h6.dion.ne.jp/~be.happy/travel-koganingyou.htm
応援したくなったよ!
ありがとう!郷土人形が持ってる「内に秘めた美しさ」を
もっと世の中の人に知ってもらえるように頑張るッス!
自分は入会して無いけど、世の中には こういうのが好きな方の
同好会や研究会もあるので、決してヲタ趣味というひと言だけでは
片付けられないですぜ!w
郷土玩具同好会
http://www.h3.dion.ne.jp/~isamu-h/image/applet_anfy/03/gangu-kai.htm
あと、古賀人形は歴史こそ古いものの、他の産地に比べて現存している
人形自体が極端に少ない上に、江戸時代に作られたと思われる人形は皆無、
いいとこ明治末期以降のものしか残ってないので、画像は掲載できないッス。
まぁ、自分も戦前より前の人形は持ってないし…。
ああそうそう、とりあえず自分の住んでる地域(都道府県どまりでOK)に
どんな人形の産地があるのか教えれ!という人がいたらお気軽にドゾー
漫画好きだから 漫画に置き換えると1が 理解できてきたな…
まるでギャラリーフェイクに出てくる個性あるキャラみたいだ…
さて、今述べた仙台の堤人形は日本三大土人形のと並んで、
実は「東北三大土人形」の筆頭でもあり、東北三大土人形の
その他の人形には、岩手県・花巻市の「花巻人形」と、
山形県・米沢市の「相良人形」(さがらにんぎょう)があって
これまた江戸時代の後期から続いてる古い産地だったりする。
花巻人形
http://lavenderhouse.mints.ne.jp/ihatov/ihatov/hanamakidoll/index.html
相良人形
http://samidare.jp/aoki/lavo.php?p=log&lid=47260
確かに、こういうのと関連して浮世絵なんかも好きだけど
まとめスレに載ってる あの人とは別人ですよーん。
参考:
幕末維新の動乱を描いた浮世絵画像を貼ってみる
水棲動物の浮世絵画像を貼ってみる
鳥の浮世絵画像を貼ってみる
幽霊&怨霊の浮世絵画像を貼ってみる
髪伸びそうなやつとかかと思ったわ
こういった郷土人形の元になった、「上手もの」の人形になるけど
武家や公家といった、上流階級の所有物であった「御所人形」なんかは
日本人形の範疇に入るかと。
御所人形
堤人形/獅子頭持ち童子(幕末~明治初期)
天保の飢饉で人形職人が餓死するなどして、
産地自体が大ダメージを受けたことや、戊辰戦争など、
幕末の動乱に巻き込まれた事もあり、それ以降、堤では
かつてのような華麗な人形を作ることが出来なくなっていったが、
画像は、ちょうどその頃の時期の人形。
伏見、割と近所だが今まで訪れて歴史に浸る時は鳥羽伏見の戦のことしか気にしてなかったわ。
これからは人形のことも調べて思いを馳せるよ。
ありがとう>>1
相良人形/鯛抱き二福神(江戸時代後期)
相良人形の時代判定をするための特徴のひとつとして、
人形の目の描き方があるけど、上掲の人形は、ちょうど
二等辺三角形のような「三角眼」であることと、使われている
絵具の性質(植物性染料と岩絵具)からして、恐らく2代目の
相良 作右衛門(直厚)の作品と断定できる。
※3代目以降は、こういった目の描き方はしなくなるので
花巻人形/ひとやすみ(江戸後期)
花巻人形の最大の特徴は、植物性の染料である蘇芳(すおう)を
ふんだんに使った、ぬめるような質感の赤色と、それに反発しながらも
使う事によって赤をより引き立たせる群青色の彩色で、上掲の画像でも
その事が十分にお分かりいただけるのではなかろうかと…。
なお、これはネットで拾った画像なので自分のでは無いス。(;´Д`)
花巻人形/招き猫(大正時代)
あと余談ながら、花巻は 招き猫などの大半の猫の人形に
必ずと言っていいほど、口の回りに、真っ黒い描彩をするのが
特徴になってたりするw
さて、前述の堤人形は 東北地方の土人形の中では
周辺地域への派生が割合に顕著だった産地であって、
堤で修行した職人が、地元の山形県に帰郷してから
制作を始めた「与六人形」や、同じく堤の人形職人が
福島まで流れて作り出した「根子町土人形」等がある。
これまでは、いずれも長い間 本家の堤人形と混同されていたが
近年になって産地の研究が進み特定された。
山形県 東根市:与六人形/俵乗り童子(明治前期)
福島県 福島市:根子町土人形/虎乗り童子(幕末期)
山形県 米沢市:寺沢人形/太鼓打ち童子(幕末~明治初期)
同じく、前述の相良人形においても、幕末期になって
3代目の清左衛門(厚正)の妹が嫁いだ先の寺沢家において
本家から人形作りの技法を伝授されて、明治初期までの短い
期間のみ「寺沢人形」が作られている。
とりあえず、これ以外にも産地自体はたくさんあるけど
解説するのも疲れてきたんで、東北地方に関してはここらで
打ち止めにして、あとは南下しつつ、代表的な産地の人形の
画像貼ってくわ…
新潟県 見附市:今町土人形/立ち娘(明治中期~後期)
37:1:2010/11/05(金) 01:39:37.41ID:Anyt74AG0
愛知県 碧南市:大浜土人形/弁慶(明治末期)作:榊原庄松
愛知県の碧南周辺は、明治中期以降に農村歌舞伎の盛り上がりに伴って
多くの種類の歌舞伎芝居もの、武者ものなどの大型の節句人形が作られ
ほぼ同じ時期に十数人もの人形師が様々な人形を制作していた。
【参考リンク】
碧南の土人形
http://www.katch.ne.jp/~jin-s/
兵庫県 氷上郡:稲畑土人形/松曳き金太郎(明治末期~大正期)
幕末から明治初期にかけて、土地で産出する良質の粘土に
目をつけた当地の郷士が、伏見人形の職人を引き抜いて人形を
作らせたとされている。
ちなみに、来年の年賀切手のモデルの片方は ここの人形だったりする。
http://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/stamp/tokusyu/2010/h221110_t.html
【参考リンク】
丹波特産01 丹波布 稲畑土人形
http://kirinosato.fc2web.com/tanbaTOKUSAN-01.htm
春画みたいな
例えば>>15で挙がってる、京都の伏見人形の「わらいもの」の中に
「火吹竹」といって、まんま長い男根の形をしたものなんかはあったけど、
あくまでも「縁起物」であって、ガチでエロ行為をするためだけに作った、
もしくは使ったというようなのは、これといって無かったりするんスよね…
鳥取県 倉吉市:倉吉泥人形/加藤清正(明治末期)
一般的に、この手の土人形は粘土を凹型に詰めて型抜きした後に
窯で焼くなりして焼成してから彩色をするけど、この人形の場合
焼成をせずに天日干しをしたものに、そのまま彩色をする方法を
取っており、非常に脆く壊れやすい。
なお、顔の部分には彩色した上から丹念に磨きを掛け、
光沢を出す手法が使用されており、非常に手間が掛かっている。
>>41
明治?の作品とは思えないくらい、鮮やかに色残ってるもんなのな。
多少は褪せてんのかもしれんが、素人目には分からん
島根県 浜田市:長浜土人形/内裏雛(明治前期~中期)
江戸時代後期に創始。北前舟の航行ルートに伴って、
佐渡や山形県の庄内地方といった日本海沿岸の各地に、
広範囲に販売されるも明治末期を過ぎると次第に衰微、
現在は2軒の窯元が製作を続けている。
最大の特徴としては、雛人形などの衣装部分に細かいレリーフ状の
文様を浮き出しにしていることや、良質の粘土で作られているため
非常に軽い仕上がりになっている事が挙げられる。
【参考リンク】
島根県 : 長浜人形
http://www.pref.shimane.lg.jp/industry/syoko/sangyo/dentou_kougei/kougei/kougei_58.html
今の萌えフィギュアやらも1000年後ぐらいに発掘されて未来人にどうのこうの議論されるのかと思うと胸が熱くなるな
広島県 三次市:三次(十日市)土人形/座天神(明治後期)
前述の長浜人形の制作に従事していたと推定される職人が
三次へと移住し、その後に婿養子として入っていた青年が
出奔、同地の十日市において新たに独立開業したとされる。
現在、中国地方において最も盛んに製作を行っている産地であり
多くの種類の天神人形や、高さ60センチ近くもある娘物などの
美麗な人形が、当地の人々から今なお支持を得ている。
【参考リンク】
三次人形 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%AC%A1%E4%BA%BA%E5%BD%A2#.E7.AA.AF.E5.85.83
福岡県 福岡市:古博多人形/俵乗り金太郎(大正頃)
現在、博多人形というと美麗な工芸人形を思い浮かべるが、
本来は節句向けの大型人形が中心であり、工芸人形化される前の
江戸期に始まる素朴な作りのものを区別して「古博多人形」または
「古型博多人形」と呼んでいる。
なお、この古型博多人形は明治になり各地へと分派し、今宿(福岡市)
津屋崎(福津市)、弓野(佐賀県武雄市)などで、華麗な節句人形が
次々と作られ、九州一円はもとより四国や中国地方へも出荷された。
【参考リンク】
九州国立博物館 | Webサイトオリジナル『路知』
http://www.kyuhaku.jp/roji/roji_kb-02.html
宮崎県 佐土原町:佐土原土人形/武田勝頼(大正期)
江戸時代初期に、島津氏が慶長の役で連行した
高麗人の陶工が製陶の傍らに人形を作ったのが
初めとされているが定かではない。
明治以降になり、当地での佐土原歌舞伎の隆盛と共に
多くの芝居物の人形が作られたが、太平洋戦争を挟んで
殆どの窯元が廃業、現在は三軒の窯元が製作を続けている。
【参考リンク】
佐土原人形の紹介
http://www.gurunet-miyazaki.com/mingei/sadowaraningyou/sadowaraningyou.htm
あとこれは古い時代の人形ではないけど、
お気に入りなので貼ってみる。
…なんていうか、表情といい、片膝立てて弾いてる姿が
ものすごくロックな感じでイイんだよなぁ…。
佐賀県 神崎郡:尾崎土人形/三味線弾き(昭和30年代)作:八谷ウラ
吉野ヶ里遺跡で有名な、佐賀県は神崎郡で作られている土人形。
元寇の際に捕虜として捕まった蒙古兵が、手すさびに
作ったのが始まりとされているが、激しく眉唾物である。
福岡県の赤坂土人形と同様の、胡粉地に淡色で彩色する
荒い作りが特徴だったが、現在は華やかな色彩となった。
尾崎人形保存会によって製作が続けられている。
【参考リンク】
尾崎人形
http://www.sagasubanta.com/sagayoyo/yokamon/ozaki/index.html
さて、そろそろいい時間なので最後に日本の郷土人形の内でも
最高峰と称えられる、福島県の三春張り子の江戸時代の作品の
画像を貼ってオサラバしたいと思います。
福島県 郡山市:三春張り子/石橋(しゃっきょう)(江戸中~後期)
あと比較用に現代の三春張り子の画像も貼っておくッス。
三春張り子:鞨鼓(かっこ)(現代:平成)
【参考リンク】
三春でこ屋敷ってなあに?
http://agata107.ktkr.net/hariko2003/miharu/miharudeco.html
あと、もっとこういった古い時代の土や張り子の人形を
見てみたい人には下記のサイトを是非ともご覧頂きたく。
自分が持ってる人形とは比較にならないぐらい良い人形が
それはもう、たっくさん出てますのでw
郷土人形美術館
http://www007.upp.so-net.ne.jp/kyoudoningyou/index.htm
それでは、おやすみなさーい ノシ
日本のフィギュア文化のルーツみたいなのを感じ取ったよ
乙~
江戸前期の俳人、小西来山は「土人形が俺の嫁」だったらしいね
市松人形がくると思ってビクビクしてたら予想外でした
遮光器土偶みたいなのを予想していたので少し予想がはずれた
生人形の躍動感がすごいな
思わず惚れた
どの人形もバランスと表情がいい。
このノウハウは現代でもいろんなところで影響してるのは明白
ちょっと怖い
仙台出身だけどこけしくらいしか知らなかった
堤人形のリンク開いたら干支の動物たちかわいすぎで萌えた
>>22
根付マニアのオッサンが浮かんだ
本人否定してたが、十分コアなオタ趣味だろwアニメですら同好会や研究会くらいあるし。
三春張り子って現代の方が劣化してないか?
>>26は元祖フィグマか
うわー、いいな。
門外漢で芸術専門家でもなく、鑑賞マニアですらないけど、いいな。
こういうものの良さがわかる様になったとは、としをとったもんだとつくづく感じさせる。
尾崎焼きのってて地元民としては嬉しい
正直どうでもいい!
宮崎県の人形がイケメンだ!
※14がかわいそうでならない
歴史ある品物はよいな
今日はじめてこのスレを見ました。以前から江戸後期から明治初めころの人形を集めていました。堤は直しありのの品ですけど1体あります。今後18のような堤花笠踊り(江戸後期)や53のような三春張り子(江戸中~後期)を集めたいと思うのですが、直しのない品の相場というものがまったく分かりません。お分かりになる方がいらっしゃれば教えて下さい。